Wrangler 11MJZ(1950's) 其の二

ジッパー自体は戦前から存在したが衣類全般に広まったのはやはり戦後になってから。
サンフォライズの技術自体も戦前から存在していたが、この二つがデニムにおいて当たり前のようになったのは何故かやはり戦後になってから。
と言う事でラングラー11MJZのようなジッパーフライのG-ジャンは戦後において姿を表わす事になった。
以後、マイナー系統の他社は模倣するが何故か大手ライバルであるリーバイス、リーは中々手を出さない。
ようやく手を出したかと思えばキッズ用だったりする。
そのおかげで長らく、いや消滅後の今でもラングラーらしいデザインと認知されており、現代衣類のラングラーでは各国で類似したデザインのジャケット類を数多く販売しているが~本家アメリカではそのようなハナシを何故か聞かない。

さてヴィンテージデニムは素晴らしい!!と言う事で色落ちに関しては年代物らしい風格ある結果を表わしています。

ダブルステッチ箇所のキャタピラ状のパッカリングもラングラーらしい。

全体的に自然でシャープな縦落ちをしている。

だいぶ退色しているがインディゴの残り具合も絶妙な感じで落ちきっていないし、残り過ぎてもいない。

裁断パターンが以後の年代よりも細かい利点として生地の合わせに沿って走る縦落ちがより立体的にG-ジャンそれ自体を映えさえてくれる事。

スナップボタンやリベットに欠損は無く未だ現役。


繰り返すが色落ちに関しては文句のつけようが無い、それだけに合わせるジーンズにも気を遣う(笑)。


現代の国産セルビッチデニムの色落ちは織りの工夫よりも初めから糸の太さや形状の違いで豪快で個性的な色落ちをするように仕組まれているのが多い。
その個性も同様のテクニックの製品が増えると個性的とは言えなくなるし、そもそも不自然だ。
個人的には意図しない結果として当時、現れた色落ちである、ヴィンテージデニムの自然な風合いの方が好みだ。

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