Wrangler 8MJL(1960's) 其の一

G-ジャンのライナー付タイプと言えばリーのストームライダーが有名だがラングラーでも1950~1970年代に掛けて定番モデルとして展開していた。
同時期の111MJあるいは124MJのライナー付モデルなので、これは1960年代初頭、111MJでは希少な3ポケタイプのライナーモデルですね。

ヴィンテージラングラーらしい外観、作り込み、色落ちと文句なしの一枚。
ダブルステッチのキャタピラ状のパッカリングは、よりG-ジャン自体を立体的に見せてくれる。
やはり内縫いを多用した以後の時代のアッサリした風貌とはだいぶ違いを感じる。

元々の111MJが11MJZの人気もあって3ポケ仕様のモデルチェンジした時期が僅か数年ですが他社に比べると市場を読んでの細かいマイナーチェンジを当時としては短いスパンで繰り返していたのが分かる。
所詮は労働着、ワークエウア、ウエスタンウエアでありながら、だ。
とは言いつつも実は1960年代においてアメリカではジーンズカジュアルと言うファッションジャンルは確立していたので必ずしもワーカーやカウボーイのみを対象にしていたのではないでしょうね。
勿論ラングラーだけでなくリーバイスを始め各社にも言える事ですが。


生地は左綾デニム、9 1/2オンスのジェルトタイプデニム。
通常のG-ジャン、ジーンズとは違い、軽くソフトなデニムですがウールライナーの分厚さで生じる窮屈さを軽減している。

鮮やかで自然な縦落ち感、まあヴィンテージならではの意図しない経年変化の結果なんで云わば天然モノの縦落ち。

時期的にも当然と言え当然だがセルビッチ付きの左綾デニム。
アメリカのシャトル織機で織られている。

とは言いつつも、実はこの時代のアメリカでは既にシャトルを使わない最新型の織機~革新織機(シャトルレス織機)は実用化されていた。
世間的なイメージでは1970年代と言うワードをよく見聞きする、がそれ以前にも、革新織機によりセルビッチの無い広幅のデニムが大量生産されていた。



袖口のリベット補強もちゃんとある。
1970年代のようにカンヌキ補強に変更される前のディティールだ。
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