2015.07.12 織機のハナシ
数日前たまたま早朝、NHKのTV放送を見る機会があった。
地方にある日本伝統織物産業の紹介で薄手の木綿生地を織るのに百年前の織機を使っているという内容だった。
それ自体はよくある事実だし、TVで紹介されるのも同じくだが、その百年前の織機を「豊田式織機株式会社が製造したもので、同社はトヨタ自動車の前身にあたる」とアナウンサーが間違った解説をしていた。

某TVドラマで再現されたようにトヨタ自動車は「株式会社豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)」の自動車部門が独立したもので、「豊田式織機株式会社(現在の豊和工業)」から、ではない。
どちらの豊田も発明王「豊田佐吉」が設立させ、氏の発明品である力織機の生産を目的にした会社には違いは無いが別会社であり、その後の経緯等全く異なる。
詳しく語ると長くなるので詳細を知りたい方はWikipediaでも見て下さい。

さて話を木綿織り用の織機に戻すと見る限り確かに百年前の織機だ。
ただし薄手しか織れないので、ヴィンテージと言うよりも国産復刻衣類、特にデニム、ジーンズを愛好されている方々がイメージされる旧式の織機とは少し違う。

取り留めもなく感想を書き綴ったがマスコミの単純ミスと言うのは漠然と流れてゆくだけで誰の記憶にも残らないようでいて、実は結構あるし繰り返されている。
TV、ラジオ、雑誌、ネット等媒体は様々だが、その中の幾つかはいつしか誤りが正として、拡散、定着してしまうケースが多々ある。(今回の間違いは当事者企業がいずれも健在であり、有名な企業であり、そもそも間違い自体が分かりづらいので定着することはありえない)
個人的に気になる、気づくのは服好き故に服や紡績に関する歴史等、つまりヴィンテージの根拠たる情報だ。
で、実はWikipediaにも結構間違いがある。
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尚TVで紹介された百年前の織機は間違いなく「豊田式織機株式会社」のものだ、その時代では「株式会社豊田自動織機製作所」は設立されていない。
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真実は一つ・・ではないどころか真実が間違い、なんて事は実は服の世界に限らずそこらへんにゴロゴロしている可能性が高い。
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