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ラングラージャパンと言えば20世紀と共に消滅した。
以前、日本国内でラングラージーンズを生産販売していた会社程度のイメージしか今のユーザーには無いのかもしれない。
現在のエドウィングループのラングラーを愛好している人には否定すべき対象かもしれない。
あるいは全く、知らない過去の存在かもしれない。
只、確かな事は1970年代、この時期のラングラージャパンの製品にはVAN-JACとの深い血縁関係を示す存在であり、そのモノ作り、アメカジを広めた功績や多彩なアイテム、販売方法は国産ジーンズのヒストリーにおいて実はかなり重要な存在である。
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胸ポケット、袖口はアメリカ製と同じスナップボタン留め。
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アームの付け根は同時期のアメリカ製がロック縫いに仕様変更されているのに対して1960年代のようにダブルステッチで処理されているように見えるが・・
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裏返すとそうじゃないのが分かる。
このような縫製仕様もやはり90年代のレプリカブームではよく見られたものだ。
基本的にアメリカンヴィンテージが何故、そうなっているのか?と言えば、そうする必要があった、そうしか出来なかった、と言うのが主な理由だが、日本の場合そうのような時代性や縫製設備に無関係に様式美として、デザインとして取り入れた形跡がある。
そもそも日本ではジーパン、G-ジャンは始めからファッションアイテムとして企画、販売されていたので考え方自体が違っていたのだろう。
1971年にスタートしたラングラージャパンですがそれ以前の準備段階で得た資料は当然マイナーチェンジする以前の物なので結果的にこのような状況を生み出したのでしょう。
ラングラージャパンの製品が市場に登場する僅か前にアメリカでディティール変更があってもそれを取り入れられる筈も無い。
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この縫製仕様をミシンの仕様と言うよりもデザインとして別のミシンで再現する手法は90年代の復刻ブームのルーツかもしれない。
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当然、巻かれていないので見事なパッカリングは出ない。
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さて、この限定?モデルの特徴である背面の豪華な刺繍はアメリカ建国200年を祝うもの、本家アメリカのラングラーも驚くような大キャンペーンを展開したラングラージャパンの宣伝の上手さと言うべきか。
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ラングラーの下にあるジーンズ&スポーツウエアはラングラージャパン固有のキャッチコピー。
ブルーベル社は当時のアメリカではかなり自由な企業で地域や国により、ある程度、好きなように商売をやらせていた。
リーバイスのように501の品番はアメリカ製以外許さない、全世界どこでも同じ物が買える~のようなスタンスは無かった。
それ故に日米で全く違うラングラージーンズが市場に並ぶ結果となった。
60年代で既に国産ジーンズを販売していたVAN-JACだけに単なる輸入代理店では無く、本格的なジーンズの自社生産にこだわっていた~その意思の具体化がこれら初期のラングラージャパンのデニム製品だったりする。
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今からちょうど40年前のG-ジャンなのが分かる。
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本家アメリカのG-ジャンよりも、どうもラングラージャパンのデニムはイメージが悪い。
1970年代以前が存在しないのでそれ以前のアメリカンヴィンテージに比べると古さを感じないのは確かだが~そもそもラングラーに限らず、デニム、ジーンズの本場はアメリカである以上、アメリカ製に比べると日本製のイメージが劣るのは仕方がない。
現在のジャパンデニムのムーブメントも割と近代のハナシなので90年代以前の国産デニムはその評価すべき範疇の外にいる。

だが、そもそも本場アメリカのデニムへの憧憬は1960年代当時から日本人には強くあった。
エドウィン、ビッグジョン、キャントン等の有名どころから無名どころも含めて1960年代~1970年代の国産ジーンズの多くは日本製だがメイドインUSAの表記があった。
今では考えられない商法だが同時はよく行われてたイメージ戦略である。
(*アメリカ製デニムを使用している意味だとする後付け設定が近代ではまことしやかに語られているが、国産デニムを採用していてもアメリカ製表記のタグが使われいているジーンズは結構ある。)

否定的な意見もあるが年代の割には本家アメリカのラングラーよりも現存数が少なく、特別な価値は無いが入手しづらい、知られていないマニアックな存在だとも言える。
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(*1976年ラングラージャパンの同キャンペーンの資料より~アメリカ建国を祝う数々のアイテムが展開されていた、このG-ジャンもその中の一つのようです。)
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